英国ロックダウン。引きこもり生活1週目。

ボリス・ジョンソン首相もコロナウィルス陽性のニュースが伝えられたばかりの27日の英国。おとなはテレワーク、こどもは自宅学習の日々が続いています。

外出制限はあるとはいえ、お天気もよく一日一度の外出は条件付きで認められているので、現在のところ閉塞感はそれほどないですが、なんともシュールな日々。

オンライン会議システムZoomを使って仕事をしたり、家族や友人とオンライン飲み会やゲーム、誕生日パーティをしたり。いつもよりかえってコミュニケーションが密になっている気も。
はやく収束してくれることを願うばかりですが、これを機会に多くの人の働き方やつながり方の意識が変わるんだろうなという予感がしています。

昨夜26日の英国では医療関係者に感謝の気持ちを伝えようと、夜8時に人々が窓際に姿を現し一斉に拍手送る「Clap for Carers 」というキャンペーンが行われました。

うちもバルコニーに出ましたが、外は拍手と口笛の嵐。
草の根でスタートした呼びかけが、首相や王室メンバーまで参加するという全国イベントになるなんてイギリスっていいなと再確認した瞬間でした。

都会生活ではあまり近隣住民とあまり接点がないものですが、こんな形でもつながれるとは。
ロックダウンもいろいろ楽しんだれ〜!の精神、いいですね。

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どうやって防ぐ? 日英比較・コロナ対策 ①

昨日、仕事関連のミーティングに出かけて行ったらいつもビッグなハグで迎えてくれる人がすっと身体を離したので「おや?」と思った。もちろんコロナ・ウィルスのせいだ。

コロナ騒動は遠い国の話だからだから大丈夫、ココは島国だからと対岸の火事でのんびりかまえていた先週末までの英国民 。しかし欧州ではイタリアで状況が悪化していること、国内での感染者数の上昇、そして英保健担当閣外相ドリス氏がこの新型ウィルスに感染し自主隔離のニュースが報じられ、12日には国会で学校閉鎖に踏み切るべきか否かの討論が持たれるに至って一気にパニックが広まった。


ちなみに3月13日現在、 英国では全国的閉鎖になっていない。しかし、もちろん以前から予防対策はしつこく呼びかけている。(後日記※その後18日に行われた発表で3月20日・金曜日より保育園や私立校も含む全国の学校が一斉休校となった。しかし医療関係者や物資配達の運転手、スーパーの店員などキーワーカーと呼ばれる人たちの子どもたちを学校で受け入れるとしている。)

そんな中で思うのが、英国のマスク事情である。

手洗いを徹底するようにというのは、感染を防ぐためにどこの国でも言われていることだが、花粉症や風邪対策にはすぐマスクの日本人と違い、英国人はマスク着用にけっこう抵抗があるのだ。

これまで、英国人には「マスクをしている人=すでに危険な病気にかかっている人が拡散防止にかける」という先入観があった。この場合、医療従事者はもちろん別である。

このため英国でマスクしている人を見かけることはごく稀なのである。都心部への自転車通勤車が防塵マスクをしているのは見かけるが、これはサイクリングウェアとセットになっているから大丈夫、と思われているだけであって、町歩きやオフィスでかけていたらちょっと変な目で見られる。

また、ギャング犯罪のイメージもあり、顔を見られたくない事情のある人がマスクをするという先入観も根強い。同様の理由で、パーカーのフードをかぶったままショップ等に入店してはいけないというルールがある店も時々ある。(もちろん雨の日や寒い日は外でフードをかぶっている人は多い)

実際、昨日ランチどきの混み合うオフィス街を歩いていた時にマスク姿の人を捜してみたのだが、マスクをしていた男性は1人だけでしかも東洋人系。暖かい日だったのも関わらず、マフラーを顔にぐるっと巻いてマスク風にしていた白人男性が1人いた程度だった。(後日記:18日時点で少しは増えた気がするが、やはりたまに見かける程度)

BBCなどのニュースを見ているとアイキャッチ画像にマスク姿の人が写っているのだが、やらせか?と思ってしまうほど(そんなわけないだろうけど)。こんな事態でもサイクラー以外でマスク姿を見つけるのは至難の業なのだ。

とはいえ、バスや電車に乗れば、携帯用アルコール消毒液の匂いがどこからともなく漂い、手すりなどを触ったりバスの昇降ボタンを押す場合もセーターの袖を伸ばして直に手が触れないようにしている人が多い。暖かい日なのに手袋、しかもちょっと薄手の防寒目的ではないような形状の手袋をしている人も見かける。手から防ごう、というのが英国人の対策みたいだ。

ちなみに、電車やバスに乗りたくないので片道1時間半かけて徒歩通勤している友人がいる。

具体例・そして英国民がコロナ騒動でどんな行動をしているかについては、次回ブログに。

(わりとすぐ更新の予定です)

※後日記>18日の時点でもマスク姿はまだ稀だ。しかし数は増えて来ている気がする。もともとマスクの需要がないので出回っていないということもあるし、「マスクは医療従事者のためにとっておけ」という声も聞かれる。日本での感染者が英国に比べ少ないのは手洗い、うがい、マスクが徹底しているからなのかもしれないと感じた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ビミョーで面白い、階級の話②

(※イギリスの階級社会・現代版について書いたコラムの続き。2014年に書いた記事を転記しています。)

前回は移民として暮らす私見イギリスの階級制度と、去年(※執筆当時)イギリスで行われた最新の階級調査の結果について書いたけど、今回は階級別のテイストをテーマにしたイギリスのTV番組を紹介したいと思う。

タイトルは『In the Best Possible Taste』といって、2012年夏に民放Channel4で放映され各方面から高い評価を得た3回ドキュメンタリー。とりあげるのが遅いけれど、英国で連綿と続く階級制度のこと、数年ぐらいで中身が古くなることもないでしょう、ということでご容赦を。

プレゼンターは現代美術家のグレイソン・ペリー。イギリス現代社会における「ワーキングクラス/ミドルクラス/アッパークラス(=労働階級/中流階級/上流階級)」の趣味嗜好と価値観を観察し、それぞれの典型に潜む意味をさぐっていくという内容。英国「インディペンデント」紙では、本ドキュメンタリーを”2012年のベストドキュメンタリー番組”と賞賛している。

ペリー氏は2003年、イギリスのコンテンポラリー・ アーティストに与えられる一番権威ある賞、ターナー賞を受賞。文化や信仰、暴力や隠された欲望なんかをテーマに、 様々なメディアを駆使して、ちょっと毒のあるユニークで装飾的な作品を生み出している現代美術家だ。

「なんだ、偉大なゲージツカ先生」司会の高尚なドキュメンタリーか、と敬遠するなかれ。

彼のもっとも一般に広く知られるイメージは「フリフリドレスの女装姿で授賞式に現れた、ちょっとヘンなアーティスト」。ゲージツ家って奇抜な言動や奇行が目立ったりすることがあるが、まさしくそんな感じの人物だ。というか、そういったステレオタイプを逆手に取ってああいった装いをしているのかなとも思う。

ペリー氏本人。となりの壷も彼の作品だ。

ペリー氏本人。となりの壷も彼の作品だ。

そんな彼を案内役に持ってくるわけなので、ただの観察ドキュメンタリーに終わるはずがない。

ワーキング/ミドル/アッパーの3回に分け、毎回それぞれの階級の典型をいく人たちと交流し、彼らの行動や趣味趣向について紹介した後は、彼のつかんだ3つの階級が表現するイメージを、かつて歴代の王侯貴族が好んだタペストリーというメディアを選び、アート作品へと仕上げて行く。そんなわけで前回触れたイギリスの階級システムという「部族社会」について動物ドキュメンタリーチックに観察できるだけでなく、芸術家の視点や思考プロセス、制作舞台裏までしっかり覗けてしまうという嬉しい内容なのだ。

※写真は番組のページより拝借しています。

※写真は番組のページより拝借しています。

ちなみに以下が私が番組を見てざっくりつかんだ階級のテイストの印象&キーワード。同じカテゴリーで矛盾してる箇所もあるが、そこらへんは個体差というかタイプ差みたいなもの。1つの階級のなかにも色々クラス分けがあるので。

ワーキングクラス
マッチョ。入れ墨。ヘアカラー、体の線を意識した服(男女とも)、パブ、ビール、やたらとでかいテレビ、テレビのメロドラマ。

ミドルクラス
コンサバで高めの服、個性重視、スーツ。体の線でなくカッティングを意識した服。お金。競争心&上昇&差別化志向。恐れ。見栄。スイーツ(笑)。

アッパークラス
馬、ポロ、屋敷、狩り、カントリーハウス、装飾的内装、顔が均一、平均身長が高い、古びたツイードジャケット、割と地味な服(でも高い)、TPO(>これはあえて太字!)、帽子、調度品が古い(>相続品なので)、減らさず増やさず次世代に渡す財産管理。

個人的にはミドルクラスが気になる。上に憧れつつ、しかも周りから浮かないように気を使い、でもやっぱり差をつけたい競争心も見え隠れし、ワーキングクラスとはぜったいに差別化を図りたいという、揺れ動く心境がかなり大変そう。しかし、ここまで心境が見えちゃうというコトは、自分は外から見てるつもりでもこのカテゴリーに実はどっぷりはまっていて、そういうエゴみたいなのがどっかにあるからなんだろうな〜とも思う。まあ、ミドルクラスはかなり多様化しているので、上の説明は典型的ミドルクラスの例と考えていただいきたい。

上流がその資産の割に意外に地味に見えるのは、お金だの家柄だのでケンを競わなくてもいいというのがあるんだろうか。内輪ではそれなりにイロイロあるのだろうけど。まあアッパークラスとはいえ、いかにもな貴族から、相続した屋敷を管理しきれなくて手放したり、美術館の様な屋敷を「好みじゃないから」といって敷地内にある、かつて使用人が住んでいた家に暮らしているタイプまでいろいろあったのだけど。

余談になるが、貴族一家とその使用人達のドラマを扱った人気ドラマ『ダウントンアビー〜貴族とメイドと相続人』で、どのエピソードだったかは忘れたけれど、計算ずくの婚約を交わした成り上がりの新聞王(ミドルクラス)と貴族の長女が新居のインテリアについて語るシーンで、新聞王は「(カネはあるから)装飾品・調度品はこれから買えばいいさ」といい、長女はあきれてほとんど蔑んだような口調で「装飾品は買うモノではなく(先代から)相続するものでしょう」と言い放つシーンがあって、そのギャップに感心した覚えがある。ちなみに監督のジュリアン・フェローズ氏は貴族一家の子孫である。

余談ついでに、ペリー氏自身は労働者階級出身だけど、著名人となったことでミドルクラス的生活をしていると語っている。

ドキュメンタリーに話を戻す。

それぞれの階級を訪れたあと、彼らの催すパーティに招かれると、ペリー氏はその階級に合わせた合わせたお得意の女装でドレスアップし登場したのもなかなか面白かった。女性ではなく男性が「女に化ける」ので、イチから作り込まなくては行けない。そうなるとメイクにせよ髪型にせよ服のスタイルにせよ、それぞれのスタイルをよく理解できていないとちぐはぐな感じになってしまうからだ。さすがゲージツカ。しっかり特徴をつかんでいて面白かった。いやいや、髪型1つとってもこんなに違うとは。

そしていよいよタペストリー制作のシーン。すごく乱暴ににまとめるとペリー氏はウィリアム・ホガース的な風刺絵画と宗教画を掛け合わせたイメージを念頭に作品群を仕上げていくのだけど、このプロセスは見ていてかなり面白い。

観察したものをそのままタペストリーにしたのではせいぜい「ふーん、上手ね」どまりでゲージツにはなり得ない。どんな形であれ見た人に日常を飛び越えて「??」「!!」という反応を起こさせるのが絵(なり小説なり歌なり)が上手な人とアーティストの決定的な差なんじゃないかと思うのだけれど、好き嫌いは別としてアートの生まれる背後にある思考やらもっと深い所を垣間見ることができてどきどきしてしまった。

彼の感じる所の上流階級を描いたタペストリーの1つ。『アッパークラス・アット・ベイ』つまりこの層の斜陽を物語っている。

彼の感じる所の上流階級を描いたタペストリーの1つ。『アッパークラス・アット・ベイ』つまりこの層の斜陽を物語っている。

階級というのは実に微妙な話題で、つい感情やスノビズムに流れたり、全貌をつかみにくかったりするテーマなのに、よくぞここまでまとめてくれた!という感じ。私自身の興味という角度からこの番組について紹介してみたけれど、色んな見方ができてかなり深い。

「イギリスってどんな国?イギリス人って?階級って?」と疑問に思っている人、そして芸術家の視点に興味のある方にはかなりオススメの番組だ。

最後に。ペリー氏もコメントしていたが、趣味=テイストが良い・悪いということはなくて、違う価値観があるだけなんだと思う。自分や属する種族と違う趣味に対してただ違和感を感じているということだ。言葉を「センス」に置き換えてもそうなんだろうな。

ビミョーで面白い、階級の話。①

※今回は旧ブログの記事をこちらに移動してみました。書いたのは6年前なので内容はやや古くなっており状況も変わりつつあるのですが、いまだにアクセスがあり皆さん気になるトピックなのだなということで、ここに復活。お楽しみいただければ幸いです〜!

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イギリス生活もすでに10以上年が経過。そして生活していていまだに感心するのはつくづく階級社会だなあ、ということ。格差社会であることももちろんだけど、そのまえになによりも階級社会だ。

今さらもしれないが、ざっくり分類するとアッパー(上流階級)/ミドル(中流階級)/ワーキング(労働階級)の三種類。その下は「階級以下」とでも訳せばいいのかアンダークラスという貧困階級。

階級というと、どうしても「上か下か」もしくは「金持ちか貧乏か」というテーマに終始してしまいがちだけど、実際にはどの「部族」に属するかと捉えた方が近い気がする。

例えば英語の発音や話し方のトーン、職業に出身校、「夕飯」を何と表現するかといったボキャブラリー、体型や顔つき…観察してると何から何まで違う。そしてミドルクラスをひとつとっても「ロウワー・ミドル」「ミドル・ミドル」「アッパー・ミドル」と細かく分かれていて、その生活ぶりの差はとても「ミドル」というカテゴリーでは括れないぐらいの開きがある。

ちなみに「ミドル」という呼び方からイコール「日本の中流家庭/もしくは庶民」と考えてしまいがちだけど、イギリスでいうミドルは、少なくともミドル・ミドル以上は「裕福な人たち」であることも付け加えておく。また統計によるとイギリス人の6割が自分を労働者階級出身であると考えているらしい。

大抵の人は同じ階級の人たちとしか交流しないからあまり強く意識していないけれど、イギリス人のアタマには「階級」という言葉が刷り込まれていて、切っても切り離せない概念のよう。

ただ、イギリス人全般に通じるテーマといっても、人によっては競争心や虚栄心、劣等感といった感情やエゴを刺激したり、誤解をまねきやすいこともあって、あえて話題にするのはなかなかビミョーなトピックだよなとも思う。純粋に彼らの生態を観察している分にはかなり面白いのだけど。

そんなわけで、以前からこのブログで自分がきっとひそかに抱えてるスノビズムや劣等感をいったん脇においた上で階級について少し触れてみたいなと思っていた。

身近なところでいうと、自分がふだん縁があるのはいわゆるワーキング〜ミドルクラスあたり。面白いことに意外にも生活が派手なのはアッパー・ミドルではなくてミドル・ミドルクラスの人たちで、水準以上の生活をしているのに「お金がいくらあっても足りない」とぼやいている人も多い。上昇志向や見栄みたいなものが働いているせいなのか。アッパー・ミドルの人の方が質実剛健というか、けっこう質素に暮らしてるし子どもも甘やかさない。でも実は親子代々名門ボーディングスクール(全寮制私立学校)の出身で、先代から受け継いだ別荘を海外にもっていたりする。まあ、私個人の経験から言っているだけなので、どれほど全体に当てはまるのかかは分からないけれど。

ちなみに昔ヒットした映画『ブリジット・ジョーンズの日記』の主人公ブリジットはミドル・ミドルクラス出身という設定で、彼女とからんでくる弁護士のダーシーとセクシー上司のダニエルはアッパー・ミドルの設定だった。そしてブリジットの母親は自分たちをワンランク上のアッパー・ミドルに見せようといつも見栄を張っており、父親は妻のそんな振る舞いに呆れつつも彼女を深く愛している。ベタながら王道ラブストーリーの背景にある、微妙な階級間のズレがコミカルで面白かった。これはこの映画(とその原作)の原点にあたるJ・オースティンの『高慢と偏見』にも通じるテーマだ。

『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズなんかも同様の視点でみていみるとまた面白い。こちらは階級よりもイギリスの地方色も入ってくる感じで、たとえばイギリス人にとって、ホビット族はイングランド西部の古き良き人たちを思い起こさせるのらしい。そしてフロドはほかのホビットたちより階級が上(いわゆるジェントルマン階級)。ドワーフは出来の悪いウェールズ人。この映画で話されている英語はイギリス英語ではなくて「ファンタジー映画用のハリウッド英語(そういうのがあるんです)」なのだけれど、登場人物たちのアクセントは確かに全然違っている。

そんな役にも立たないことをつらつら思いながら暮らしているうちに、昨年の前半、国営放送BBCと社会学者チームによって実施された英国の最新の階級調査「The Great British Survey」の結果が発表された(註:執筆当時2014年の話です)。これまでのアッパークラス/ミドルクラス/ワーキングクラスという典型的な分け方をいったん排して、7つの独特なカテゴリーに分類。それぞれのグループについての詳しい説明については省くけれど、16万人以上を対象に「経済状態・文化志向・交友関係」の面からアプローチし、それぞれのカテゴリーを割り出したのだという。これについては「現実にそぐわない」と各方面からかなり反論もあるのだけれど。

7つのカテゴリーの名称をあげておくと、上の方(=リッチな方)から「エリート」「エスタブリッシュド・ミドルクラス」「テクニカル・ミドルクラス」「ニュー・アフルエント・ワーカーズ」「トラディショナル・ワーキングクラス」「イマージェント・サービス・ワーカーズ」「プレカリアート」。

7つのタイプをイラストにするとこんな感じ。(BBCのサイトより拝借しています)

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BBCのサイトに自分がどのグループに属しているのかを診断するテストがあったので試してみた結果、うちは「テクニカル・ミドルクラス」。

非常にパーセンテージの低いグループで、しかも経済状態の面ではかなり裕福なグループなので「なんか全然違うよな〜」と思ったのだけど、夫婦ともに大卒、そしてややオタクな文化嗜好&交友関係、そしてロンドンは住宅価格がかなり高いので、全国平均よりは高価格帯の住宅(実際には小さなフラットだけど)に住んでいるという点でのこのカテゴリー入りなのかもしれない。自分の感覚では「ニュー・アフルエント・ワーカーズ」か「イマージェント・サービス・ワーカーズ」あたりではないかなと思ったのだけれど。まあグループ分けなんてもともとかなり大雑把なものだから仕方ない。しかも外国人だし。

イギリスの方が大学進学率が低いとかいろいろお国事情が違うので、この分類法をそのまま日本に持ってくるのは無理だし、比較もしにくいだろうと思う。

さてグループ分けはここらへんにしておいて、階級でもう1つ面白いことについて触れておきたい。その階級独特の「趣味=テイスト」だ。

話し方や職業、体型などが違うと先ほど述べたけれど、どの新聞やテレビ局を好むか、娯楽や休暇に何をするか、子どもやペットの名前、ファッションあたりにも大きく差が出てくる。

ここら辺はお金のあるなしとはちがって、あくまでも好み。同じお金があっても選ぶスタイルが違ってくる訳だ。もちろん多様化が進み、例外も多くあるわけだけれど。

この階級別テイストについて、現代美術賞ターナー賞作家&フリフリドレスの女装姿で知られるちょっとヘンなアーティスト、グレイソン・ペリーが面白いドキュメンタリーをやっていたので、次回はその話を。