深ーい溝を感じてしまった事件。

かつて奴隷制度のあった英国では毎年10月が「Black History Month=黒人史月間」になっている。この月にはほとんどの学校で黒人奴隷制度やその後の移民の歴史・公民権運動について学ぶ。(アメリカとカナダは2月。)

その関連で、ある中学校の生徒やその親の人種差別体験についてまとめた自主制作動画を見せてもらったのだが、私もあまり意識したり腹を立てはしなかったけどいろんな差別を受けていたなーと改めて気がついた。

例えば東洋人の私は子供が小さかった頃、自分の子供と友だちの子供(白人)を一緒に遊ばせているだけで勝手にナニー(子育て代行者)だということにされ、周りの白人系母親から用事をおっつけられるというようなこと。

私の方はあまりに無知で、それが差別行為だなんて当時は気がつかなかったのだけれど。ヘイトクライムのように直接的な暴力を受けたことは幸いないけれど、こういうことはたまに感じる。

先ほどの動画の中では、スーパーのレジで前に並んでいた白人女性が落とした財布を拾い手渡しだたけで、その人から泥棒扱いをされた黒人男子学生の話や、ヒスパニック系ルックスのため、周りからデフォルトでナニーや掃除婦だと思われてしまう母親のエピソードが語られていた。

この「デフォルトで〇〇として扱われる」というところがポイントだ。

昨年末 、故エリザベス女王の側近だった女性が、バッキンガム宮殿の集まりに招かれた英国出身の黒人慈善活動家に対して「本当はどこから来たのか」繰り返し尋ねるという事件が起こり話題になっていた。

慈善活動家の女性は「私は英国生まれの英国育ち。あなたと同じ英国人です」と何度も言っているのに「そんなわけないでしょう」と、全く聞き入れようとしなかったというところに人種間の深~い溝を感じる。

いろんな人が暮らす国だから相手の出自を知りたくなる気持ちはわかるけれど、これは無意識かつ失礼すぎてこわいと感じてしまった。狭い世界に安住し続けると、こうなるんだなーと思ったニュースでした。

自分も無意識にやっているんじゃないかと思うとヒヤっとします。