コロナと東京五輪の話題に始終した2021年だったけど、個人的には多様性について色々考えさせられた年だった。英国ではいろんなバックグラウンドの人が暮らしているので、BLM運動に代表される人種の多様性はもちろんのこと、性の流動性=ジェンダー・フルイディティの認識拡大がとくに印象に残っている。
先日、中学生と話していたら多様性とジェンダー・フルイディティが授業でいつも取り上げるし、人種問題とLGBTQもよく授業のテーマになると言っていた。中学生といえばまだ若いし、性について知り始めたばかりだと思っていたけど「私はゲイ」「まだ決まっていない」「今はフルイド(流動的)」など、自分の性自認についてオープンに話す子も多いそうだ。
私が現在勉強中の美術教育コースでは、オンライン授業の始まりにZoom画面で自分の名前が表示されるところに「自分の代名詞(プロナウン)」を記入することを勧められる。私の場合なら「Nemo−she/her」と書き換える。つまり私の名前はネモで、女性名詞で扱ってくださいという意味だ。
これは授業中のトークで、日本語だと「〇〇さんが言っていたように、、、」で済むところが、英語の場合「彼の考えは、彼女の意見は」と性別のある代名詞を使うことが多いためだ。
男性で性自認も男性なら「 ジョン he/him」となるし、生まれは男性だけど女性形で呼ばれたいなら「ジョン she/her」と書く。
そしてどちらでもない場合、いわゆる「ジェンダーフルイド」「ノンバイナリー」の場合は「名前+they/them」と書くことになっている。
「them/them」って複数形じゃないの?と最初は混乱したのだが、現在はジェンダーフルイドの人を指す場合はこのようになっている。人気スターがノンバイナリーであることを公表し、自分のことを指すときの代名詞には“they/them”を使ってほしいと宣言したことからこの使い方が定着したという。
先ほどの中学生がやっているゲームでも、女子らしき外見の主人公キャラのことを「she」ではなく「they」とノンバイナリーな呼び方で表示している。ちょっとトレンディなのだ。
国勢調査や病院で個人情報を記入する欄もいつの間にか「性別=男・女」ではなく「生まれたときの性別=男・女」と表記が変わっている。
Z世代はいい意味でそれ以上の世代と違うな〜と感じる1年でした。